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処方された薬をドローンに積み込む作業=岩手県八幡平市田山
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 医師がオンラインで診療し、処方した医薬品をドローンで配送する実証実験が11日、東北で初めて岩手県八幡平市で開かれた。高齢化や過疎化が進むなか、実用化に向けてさらに取り組みを進めていくという。

 交通インフラが限られた同市の中山間部では、医療機関に通うのが難しい住民も多く、手厚い医療サービスが受けられない状態に陥っている。このため市は、デジタル技術を活用し、住民の通院負担を減らした持続可能な地域医療の実現を目指している。

 一方、ドローン飛行は、一定の安全対策を講じていれば、規制が緩和される傾向にある。今回は遠隔地のパイロットが飛行を目視しない状況下で、鉄道や道路を横断するルートを操縦した。

 実験では市北西部の田山診療所で医師がオンラインで患者を診療。健康状態などを尋ね、院内処方した薬をドローンに積み込んだ。機体は民家の上空などを避けながら片道約4キロ、最高高度約145メートルで飛行。JR花輪線を越え、約10分後に患者宅近くの農地に着陸した。薬は待機していた看護師から患者に手渡された。

 薬を受け取った農業、三浦政則さん(82)は「遠隔でも診療はいつもと変わらなかった。年を取り、車でも通院は大変。楽に薬が手に入り、大変ありがたい。実用化されれば利用したい」と話していた。(小幡淳一)

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